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長田奈緒 個展 紙を持つ手は紙

2023. 4. 15th (Sat) - 5. 6th (Sat)

*English text is at the bottom of the page.


ギャラリーそうめい堂は、長田奈緒の個展「紙を持つ手は紙」を開催いたします。

なぞかけをも思わせるこの展覧会名。メインビジュアルの写真は、長田の手と、浮世絵の中の手を組み合わせたものです。長田の手は現代の紙を持ち、浮世絵の手は江戸の紙を持ち。そしてその手というのもまた、紙に印刷され、長田の手もまた写真として印刷されています。この幾層にも重なった印刷物の構造は、長田がこれまで行ってきた制作に通じるものがあります。​

長田は見過ごされがちなものの存在を鋭く見出して丁寧に採集し、それらを版を通して再構成することで、私たちの前に新たな形で提示してきました。空間に半ば隠されるように置かれた作品を見つけるとき、それが見慣れたものではなく、素材・支持体においてまったくの別物になっているという事に気付かされます。ものの存在とは、見知ったものとはそもそも何をもってそう思わせられていたのだろうかと、その存在意味さえも問い直す作品群は、鑑賞者の記憶に違和感として確かに残り、何かを託すように思います。
これまでAmazonの段ボールやストローの包装紙など、日常生活で目にする消耗品的な印刷物をモチーフに作品を制作してきた長田ですが、本展ではそうめい堂の空間において美術品として扱われる浮世絵版画の印刷物としての側面に着目し、新作を発表します。
​ぜひご高覧ください。

(メインビジュアル: 「個展のための習作」、2023、紙に印刷、写真)

特設サイト

紙を持つ手は紙


アーティスト
 長田 奈緒

会場
 ギャラリーそうめい堂
 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-8 山田ビル7F

会期
 2023年4月15日(土)- 5月6日(土)
 11:00 - 18:30
 ※日・月・祝日 休

アーティストプロフィール
Profile
 2013-14 ウィーン応用芸術大学
 2016   東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了

Exhibition
 2022 個展 少なくとも一つの
    (Maki Fine Arts)
     個展 I see…
    (NADiff Window Gallery)
     メディウムとディメンション : Liminal
    (柿の木荘)
     感性の遊び場
    (ANB Tokyo)
     Installation view, Accumulations / 蓄積
    (青山|目黒)
 ​2021 Encounters in Parallel
    (ANB TOKYO)
     Publish or Perish
    (Hunt Gallery, Webster University)
     エマージング・アーティスト展 / Part 2
    (銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM)
     3人のキュレーション「美術の未来」
     Shibuya Hikarie Contemporary Art Eye Vol.15
    (渋谷ヒカリエ CUBE 1,2,3)
     その場合、わたしは何をする?~版画の引き出し~
    (東京藝術大学アートプラザ)
​ 2020 個展 大したことではない(なにか)
    (Maki Fine Arts)
     都美セレクション グループ展 2020
     描かれたプール、日焼けあとがついた
    (東京都美術館ギャラリーA)
     TAMABI Trial Exhibition ANYHOW,
    (多摩美術大学アートテーク)
 2018 個展 息を呑むほどしばらく
    (Open Letter)
   Encounters
     (PDX CONTEMPORARY ART, ポートランド)
 2017 大黒屋公募展受賞者展
    (板室温泉大黒屋)
  Shotai Exhibition
     (SO Fine Art Editions,アイルランド)
 2016 a.a.t.m アートアワード丸の内
    (マルキューブ)
     個展 遠ざかった同じもの
    (Open Letter)
 2015 SPVIⅡ
    (TURNER GALLEY)
 2014 くわばらくわばら Touch Wood
   (オーストリア大使館文化フォーラム)

協力
Maki Fine Arts