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暁翠

暁翠は、幕末から明治にかけて「画鬼」と称された奇才・暁斎の娘であり、父の強烈な個性を継承しながらも、女性らしい繊細さと明治・大正という時代の情緒を融合させた絵師です。

暁翠の画業は、父・暁斎の徹底した写生と古典研究の教えを土台にしていますが、その表現はより優美で、大衆に寄り添った温かみを持っていました。暁翠は父から受け継いだ「狩野派の筆力」と「浮世絵の洒脱」を武器に、風俗画、仏画、おもちゃ絵や雑誌の挿絵を手がけました。
暁翠の描く女性や子供たちは、どこか健康的で、生き生きとした生命感に溢れています。暁翠は、江戸から続く伝統的な行事や遊びを、明治・大正の明るい色彩感覚で描き直しました。彼女の作品には、暁斎のような毒や狂気は影を潜めていますが、その代わりに、細部まで揺るぎない確かな線描と、品格のある構成力が備わっています。
暁翠