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周重

周重は、明治初期から中期(1860年代後半から1890年代)にかけて活躍した絵師です。国周の門人であり、師匠が得意とした「役者絵」の世界でその才を発揮しました。当初は「重宣」と名乗っていましたが、後に「周重」へと改名しています。
周重の最大の功績は、明治という新しい時代の歌舞伎を、師匠ゆずりの華やかな色彩とダイナミックな構図で描き留めたことにあります。彼の役者絵は、当時流行した鮮やかなアニリン染料を多用した「赤絵」のスタイルが特徴で、文明開化期の活気あふれる舞台の熱気を鮮烈に伝えました。
また、役者絵だけでなく、明治初期の東京の街並みや新しい建造物を描いた「開化絵」や、当時の事件を扱う「新聞錦絵」においても活躍しました。彼の描く人物は、師・国周のスタイルを継承しつつも、より実写に近い鋭い表情や動きを持っており、江戸時代の浮世絵から近代的なイラストレーションへと変貌していく過渡期の魅力を備えています。
周重