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山本 鼎

山本鼎は、日本の近代美術史において「版画」の概念を根底から覆し、自ら描画し、自ら彫り、自ら摺る「創作版画」の事実上の創始者として知られています。それまでの浮世絵が、絵師・彫師・摺師の分業であったのに対し、山本は版画を画家の直接的な自己表現の手段へと引き上げました。

明治37年に山本鼎が美術雑誌「明星」に発表した木版画「漁夫」は、日本の近代版画の夜明けを告げる記念碑的作品となりました。伝統的な浮世絵の洗練された細い線ではなく、彫刻刀の力強い跡をそのまま活かした野性味あふれる表現は、当時の美術界に大きな衝撃を与えました。

山本の版画スタイルは、フランス留学を経て、さらに油彩画的な重厚さと素朴な力強さを増していきます。装飾的な美しさよりも、対象の本質を掴み取ろうとするその真摯な姿勢は、後に続く棟方志功や斎藤清といった版画の巨匠たちに多大な影響を与えました。
山本 鼎
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